画像生成AI

【Stable Diffusion】生成結果の研究に必須!『X/Y/Z plot』の利用方法を体験レポートで詳しく解説!

Stable Diffusion Web UIを毎日さわっているみなさん、各モデルのステップ数やCFGスケールの利き具合どのモデルで、どんなプロンプトを入力したらいいか?など、1枚1枚画像を出力して確認して疲弊していませんか?

今回は、生成結果を一覧表にして比較検討できるStable Diffusion Web UI上のツール『X/Y/Z plot』について、調べて実践してみた内容を体験レポートとして共有します!

『X/Y/Z plot』は画面上目立たないところにあって、直接イラスト生成の結果にかかわるものではなく、生成結果の比較・研究用の機能のため、地味なツールと思われがち…ですが、とっても便利なツールですので、ぜひおすすめしたいとおもいます!
※いつも通り、自分のための備忘録・スキルとして落とし込む意味も含めて頑張って記事にしてます!

日々いろんなモデルで想い通りの、可愛い・ハイクオリティなイラストを出したい!と格闘している人がこの機能を知ると、たぶん私みたいに目からうろこで、早く知りたかった(*・□・)!!と思うと思います!

この記事を読んでくれたら『X/Y/Z plot』の使い方がすぐに身についちゃいます!
画像生成AIの結果をすごく分かりやすく分析・比較できちゃうので、あなたのイラストもクオリティアップ&研究がスムーズに進むこと間違いなし♪

日々研究されている方で『X/Y/Z plotって何?』という方も、ちょっと気になっただけの方も、一緒に楽しく学んでいきましょう(*・v・)!

X/Y/Z plotとは

X/Y/Z Plotは、3つの変数(x/y/z)を使って同時に画像生成を行い、その結果をマトリクス表にする方法です!
…といきなり言われてもなんのことやら…と思われるかもですが、ちょっと待ってください…!

少しわかりやすくすると、3つの変数(x、y、z)を用いてデータを表現し、一覧表にして比較できる方法で
機能としては『3つの変数』といってますが、主に『2つの変数』だけを使って一覧表を作るのが一般的なようです!
つまり、2つの項目で、設定した数値ごとに画像生成の結果を一覧表にしてくれる、魔法のツールなのです!!

例としては、【x軸】に『ステップ数』、【Y軸】に『モデル』を設定すると、普段使っているいろんなモデルで、それぞれのモデルに対してのステップ数のかかり具合を1枚1枚生成して確認していた煩雑な作業をしなくても、自動的に画像を生成して、しかも一覧表にしてくれるというすごい機能!!ということがわかりました!

よくStable Diffusionの解説をしている方のブログやFanboxのコンテンツ内に、モデルとステップ数を段階的に比較できる一覧表が掲載されているのをみかけたことがありませんか?(私はこれを手作業でまとめているんだとおもってました…この一覧表を作成してくれる機能だったんです…!)

X/Y/Z plotの使い時

じゃあ、具体的にどういうときにX/Y/Z Plotを使うのか?ということですが、私自身、X/Y/Z plotで何を比較してみたいか?を考えたときに、以下のことをやってみたいと思いましたので、実際に使ってみる目的例として共有してみます!

変数に設定できる項目は本当にたくさんありますし、初めのうちから細かく検討しすぎると混乱!!してしまうので、以下のように、大きくは、【モデルごと】にパラメータの利き具合を比較するか、【任意のモデルに絞って】パラメータの利き具合を比較するかの大きく2つの使い分けと、例示としてはパラメータを【ステップ数】【VAE】【CFGスケール】に絞って考えてみました。
※その方が私としてもとっかかりとしては把握しやすそうだったので…

A.【モデルごと】にパラメータの利き具合を比較

  • A-1.各【モデル】と【ステップ数】のかかり具合について
  • A-2.各【モデル】と【VAE】のかかり具合について
  • A-3.各【モデル】と【CFGスケール】のかかり具合について

B.【任意のモデルに絞って】パラメータの利き具合を比較

  • B-1.任意の【モデル】の【ステップ数】のかかり具合について
  • B-2.任意の【モデル】の【VAE】のかかり具合について
  • B-3.任意の【モデル】の【CFGスケール】のかかり具合について

X/Y/Z plotの利用方法

X/Y/Z plotの存在箇所

まず、そもそもX/Y/Z plotってどこにあるの???というのが私自身わからなかったのですが、txt2imgやimg2imgのタブ内のした方にひっそりとして存在する【script】のプルダウン内にいました…これはなかなか気づけなさそう…

プルダウンをクリックすれば、以下のようにX/Y/Z plotを選択できます!

X/Y/Z plotを選択すると、以下のように各種設定項目が表示され【有効】になります!

『X/Y/Z plotの使い時』の例

上記の項目、『X/Y/Z plotの使い時』から『A-1』と『B-2』を例に、実際のStable Diffusion Web UIで比較表を作ってみた手順を共有します!
初めてやってみる!にはそのまま追っていただくとやりやすいと思いますので、ぜひ一緒に見ながらやってみてください♪

A-3.各【モデル】と【CFGスケール】のかかり具合について

私自身、CFGスケールってそもそも何??っていう状態でいまだに設定していることが多い気が…するのですが、原則としては、Stable Diffusion Web UIにおいては、【数値を大きくすればするほど、AIとか、そのモデルに自由に描いてもらう】という個人的超ざっくりとした認識があるものの、各モデルによって、その数値や実際の出力にかなり差や影響がある印象で、それを一覧表で見られるのはとても助かる!ということでこのやり方を共有します!

①下図の通り設定してください

②あとは普段通り『生成』ボタンを押します!

③処理が終わると、一覧表と各画像が生成されます!

出力結果がこちら!

個人的な好みもあるかもですが、結果を見ると、モデルによってはCFGスケールが低い方が良かったり、逆に高い方が良かったりなど一覧で可視化できる気がします!

B-2.任意の【モデル】の【VAE】のかかり具合について

VAEについても、私の理解はかなりざっくりしていて、なんか出力結果がくすんで見えるようなら、追加でせっていしましょう!くらいにしか把握できていないのですが、どれも設定をすると鮮やかな色使いになるものの、微妙に影響が違うので、その見比べ!ができるのも便利だと思います。

任意のモデル1つに対して1項目を比較するだけなら、XかYの軸どちらかだけを使えばいいのでお手軽です!

以下が設定手順です!

※ちなみに、X軸に指定すると横方向(横長)、Y軸に指定すると縦方向(縦長)に一覧表が生成されるので、こちらはお好みで設定してください!
※あと、X軸の値の最後にカンマ(,)と半角スペースを記載していて、これがあると、VAEをかけていないバターン(反映無し)のものも出力できます!

設定が完了したら、生成ボタンを押せば一覧表が出てきます!

VAEの場合、拡大しないとわかりにくいかもしれませんが、色彩のかかり具合の違いを比較できますね!

『Prompt S/R』の使い方

さらに、【Prompt S/R】という、特定のプロンプトに対して、比較したい値を置き換えて見比べられる便利な項目がありましたので、併せて共有します!

例えば以下のようにネガティブプロンプトに(3d:1.1)という記述があって、これは、イラストを平面的なものにする効果が期待できますが、もっと強調して、(3d:1.2)、(3d:1.3)、(3d:1.4)…と続いて、(3d:2)まで強調したらどんな変化があるかな?というのをグラデーション状に比較することができます!

やり方は以下の感じです!

設定したら、これまでと同じように生成ボタンを押せば、完了次第下記のように一覧表が出てきます!
※こうやって設定すると、X軸に設定した値から、まず最初の(3d:1.1)で生成して、次に(3d:1.2)で生成…といった感じで、比較表を作ってくれます!

結果はこちら!

なるほど、左から右にどんどん平面化(背景は雑?)になっていきますね。例えばこれで、キャラだけ出すための適切な(3d)の強調値などを知ることができるかな!と思いました!

まとめ

これまで、今回紹介したX/Y/Z plotを知って使うまでは、それぞれのモデルで、どんな値を入れれば期待通りの画像ができるか、1回1回、生成ボタンを押して、画像を確認して…とやっていましたが、これはなかなか大変で、効率も悪かったなぁ…と思いました…

早く知っていればよかった!と思うほど便利なツールで、今度も絶対多用する有益な経験だったので、ぜひ皆さんもやってみてくださいね(*・v・)

要点まとめ

・X/Y/Z plotを使えば、各モデルとパラメータによる生成結果の一覧を表で出力できる!

・特定のモデルで2つのパラメータのかかり具合を一覧表で確認も可能

・Prompt S/Rの項目を使えば、任意のプロンプトを置き換えての比較も簡単にできる!

・生成結果を1枚1枚結果を確認することなく、一覧表で一気に比較できるから、作業効率UP間違いなし!